同志社大学 今出川キャンパス 彰栄館
同志社大学 今出川キャンパス 彰栄館

 

ドラマの舞台としてもよく使われる京都の同志社大学 今出川キャンパス。

赤煉瓦造りの歴史ある建築物にあこがれ、足を延ばしてきました。

幸いにして、同志社出身の友人によるガイド付き。

この記事では、数々の建築物の写真と、その歴史についてご紹介してみます。

 

彰栄館

 

こちらは、1884年(!)に建てられたという重要文化財建築・彰栄館

同志社では一番古く、京都では2番目に古い建物だそうです。

でも今でも使われているのだそう。現役だなんてすごいです・・・。

同志社大学 今出川キャンパス 彰栄館

同志社大学 今出川キャンパス 彰栄館

この建物、時計台と鐘塔を兼ねていたらしくて、鐘は毎朝の礼拝の時間を知らせるためにならされていたのだそう。

時計は、建てられてから少しあとの1887年に取り付けられたもので、初代の時計はセス・トーマス・クロック社という

アメリカの会社から輸入されたものだそうです。今見ても結構かっこいい・・・。

 

この建物の設計を担当したのは、宣教師で、同志社の教員として働いていたダニエル・クロズビー・グリーンさん。

グリーンさんはアメリカ人で、おじいさんが大工さんだったそうですが、それもあってかご自身も建築には関心があったようです。

同志社のキャンパスでは、この建物を含めて3棟の建築の設計を担当しているのだそう。

今は大学の事務棟として使われているらしく、残念ながら中を見学することはできませんでした。

 

チャペル(礼拝堂)

 

同志社では2番目に古く、1886年に建てられたというチャペル(礼拝堂)

プロテスタントのチャペルとしては日本最古(!)だそうですが、今でも現役。

礼拝はもちろん、講演会や卒業生の結婚式にも使われているのだそうです。

卒業生じゃないけれど、こういうところで結婚式、挙げてみたかった・・・

 

ちなみに窓にきれいなステンドグラスがはまっている~と思っていたのですが、これは色ガラスなのだとか。

確かに中から見るとキレイなのに、外から見ると黒くしか見えない(泣)。

ちょっと残念でした。

説明によると、当時の日本にステンドグラスを使いこなすだけの技術がなかったのだろう、とのことでしたが、

当時、同志社に在学していた小説家・徳富蘆花の小説の中に、この礼拝堂のことが出てくるのだとか。

「窓硝子から降る五色の光線」というステキな表現が使われていて、昔の学生もこの礼拝堂には感動したんだな~、ということが伝わってきました。

同志社大学 今出川キャンパス チャペル(礼拝堂)

同志社大学 今出川キャンパス チャペル(礼拝堂)

このチャペルも、設計を担当したのは、宣教師にして教員のグリーンさん。

正面中央の薔薇窓なんかに、気合を感じます。

 

大学の授業が行われている期間中の平日、昼休みは「メディテーションアワー」として公開されているため、中に入ることができるのだとか。

この時にはオルガンの演奏も行われているのだそうです。

興味がある方は、是非調べて行ってください。

(メディテーションアワーの開催日時はこちら→http://www.christian-center.jp/med/index.html

 

ハリス理化学館

 

こちらは1890年に建てられたハリス理化学館           

以前、NHKの朝ドラ、「まんぷく」で使われていたこともあり、見てみたいなあ~と思っていました。

同志社大学 今出川キャンパス ハリス理化学館

同志社大学 今出川キャンパス ハリス理化学館

ドラマでは、大阪憲兵隊の建物として登場していましたが、もともとは、「ハリス理化学校」というサイエンススクールの校舎として建てられたのだそう。

今は中はギャラリーとして使われていて、一般公開されています。

入りたかったけれど、月曜日は閉館のため、行くことができなかった・・・(泣)

(開館日はこちら→https://harris.doshisha.ac.jp/

 

ちなみに、中の階段に関しては、同志社の創立者・新島襄の棺をかついだ台が転用されているという話が伝わっているそうですが、

これはあくまで都市伝説なのだとか。

ただ、それに尾ひれと背びれがついて、この階段の手すりに触れると、同志社に合格するといううわさが広がっているそうです。

本気で触る高校生もいるらしい・・・神頼みって、怖いなあ・・・

 

彰栄館、チャペルとは異なり、この建物の設計を担当したのは、アレクサンダー・ネルソン・ハンセルというイギリス人。

この人、もともとは大阪で英語教師をしていたそうですが、この建物の設計をきっかけに建築家として活動するようになったそうです。

これがデビュー作なのか・・・・、レベル高い・・・。

 

あと、友人によると、この建物は吉永小百合主演の映画『愛と死をみつめて』(1964年)にも登場するらしい。

ヒロインが同志社大学に通っているという設定らしいのですが、ちょっと観てみたくなりました。

 

クラーク記念館

 

高くそびえる尖塔が印象的なクラーク記念館。

同志社の重要文化財の中では最も新しい、とのことですが、それでも1894年竣工だそうです。

時間軸が違う・・・・

同志社大学 今出川キャンパス クラーク記念館

同志社大学 今出川キャンパス クラーク記念館

もともとは神学館として建てられた新島襄の死後、卒業生らが新島を記念するために建設しました。高くそびえる塔を備えた、同志社のシンボルです。
当初は「クラーク神学館」と呼ばれていて、神学教育に使われていたそうですが、1963年に新しい神学館が完成したことをきっかけに、「クラーク記念館」と呼ばれるようになったのだそう。

阪神大震災で受けたダメージを受けたそうですが、2003年から2007年に大幅な改修工事を行って、今の美しい姿によみがえりました。

屋根窓も、その際によみがえったものなのだそう。

 

この建物の設計を担当したのは、リヒャルト・ゼールというドイツ人。

重要文化財5棟の中で、この建物だけが趣が違うなあ。

他の建物は横に長い感じがするのに、これは高さが目立つ・・・

と、思っていたのですが、それを聞いて納得がいきました。

ちなみに、この建物の2階にもチャペルがあって、神学部の授業や、同志社の卒業生の結婚式に使われるのだそう。

自分の結婚式、もう一度挙げるとしたら(笑)、ここでもいいかな~、と卒業生でもないくせに考えてしまいました。

先の礼拝堂同様、このクラーク記念館のチャペルも見学可能なのだそう。

(開館日はこちら→http://www.christian-center.jp/med/index.html

 

有終館

 

1887年に竣工したという有終館

当初は「書籍館(しょじゃくかん)」という名前で、図書館として使われていたそうです。

同志社大学 今出川キャンパス 有終館

同志社大学 今出川キャンパス 有終館

現在は事務棟として使われているのだそうで、内部は見学できませんでした・・・見てみたかった(泣)

 

ちなみにこの建物、上の方が黒ずんでいるなあ、と思っていたところ、これは1928年に起こった火事のせいなのだとか。

結構大きな火事だった上、折り悪く、当時、同志社に隣接する御所で昭和天皇の即位式が行われていたこともあり、当時の総長がお詫びのために辞任するという結構な騒ぎになったそうです。

 

これも設計を担当したのは、グリーンさん。

栄光館

 

同志社女子大学の建物で、登録有形文化財なのですが、「絶対気に入るよ~」と言われ、足を延ばした栄光館

竣工は1932年。

左右対称、八角形の塔屋が印象的な端正な建物です。

中には19412月、太平洋戦争開戦直前に設置されたパイプオルガンもあるのだそう。

同志社大学 今出川キャンパス 栄光館

同志社大学 今出川キャンパス 栄光館

今は同志社大学(文系学部)の卒業式や、卒業生の行事、女子中高の毎朝の礼拝・学校行事などに用いられているのだそうです。

 

「関関同立」という呼び方がまかり通っているほど、

関西では名門大学としてその名を轟かしている同志社大学。

今回は、重要文化財5+登録有形文化財1棟しか見ることができなかったけれど、

ヨーロッパの小さな町を訪ねているような気分を味わうことができました。

京都を訪ねる方はぜひ一度、足をしてみることをお勧めします!

 

スポット名 同志社大学 今出川キャンパス
住所 〒602-8580 京都市上京区今出川通り烏丸東入
ホームページ https://www.doshisha.ac.jp/
アクセス 地下鉄烏丸線 「今出川」駅から徒歩1分
京阪電車 「出町柳」駅から徒歩15分
バス停 「烏丸今出川」から徒歩1分
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